鼻がつまる、くしゃみ、鼻水が出る、においがわからない、鼻や頬が痛むなどの症状が現れましたら、ご受診ください。
ここでは、代表的な鼻の病気についてご説明いたします。

副鼻腔炎

鼻の副鼻腔という場所に炎症が起きる病気です。風邪の症状が現れて1週間ほどしてから、風邪に続いて細菌感染が副鼻腔に起こり、発症します。

症状
鼻汁が絶えず出てきて、よく鼻をかむ、常に鼻がつまっていて、口で呼吸をしている、いびきをかく、においがわからない、頭痛がする、などがあります。
検査
鼻鏡検査・内視鏡検査、細菌検査などを行います。
治療
薬物療法や、抗生剤の入ったネブライザー(吸入器)などを使った処置、また排膿洗浄を行います。

鼻血

鼻、特に鼻腔からの出血のことです。医学的には鼻出血と呼称されます。 検査:耳鼻咽喉科では、鼻の中をよく観察し、どこから出血しているのかを確認します。鼻の奥からの出血の場合、鼻腔用ファイバーを用いて出血部位を確認します。血液検査などを行うケースもあります。

止血方法
鼻出血の大半は、キーゼルバッハ部位という場所からのものです。キーゼルバッハ部位は、鼻に指を少し入れたときに指先が内側(鼻中隔:びちゅうかく)に触れる部分です。ここは薄い粘膜でできているうえ、たくさんの毛細血管が網の目のように走っているので、ちょっと傷がつくと出血します。この出血を止めるには、親指と人差し指で小鼻をつまんで圧迫するのが簡単かつ効果的です。

鼻血が命にかかわるようなことは滅多にありませんが、出血がなかなか止まらなかったり、それが大量だったりした場合、また鼻血を頻繁に繰り返すようなら、耳鼻咽喉科等を受診してください。

成人の鼻血で、たいへん多い原因が高血圧です。高血圧は、脳梗塞や心筋梗塞など、命にかかわる病気の危険因子でもありますので、血圧のコントロールが大切です。

鼻中隔彎曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)

鼻の穴を左右に分けている壁(鼻中隔)が、極端に曲がっている状態のことです。

症状
鼻がつまる、いびき、においがわからない、などの症状が出ます。頭痛、肩こり、注意力の減退、鼻血などの症状が出ることもしばしばです。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎(蓄膿症)があると、その症状はさらに強くなります。
検査
「前鼻鏡」という器具で鼻孔を広げ、医師が肉眼で鼻の中を観察します。
鼻中隔が彎曲しているかどうかは、この検査をすればすぐにわかります。内視鏡検査やCT検査が行われることもあります。
治療
鼻づまりなどの症状がひどい場合は、鼻中隔矯正手術を行います。鼻中隔矯正手術では、曲がっている鼻中隔の軟骨・骨を取り除き、まっすぐに矯正します。手術は全身麻酔下で行い、通常約1週間の入院が必要です。軽度であれば、局所麻酔での日帰り手術が可能なケースもあります。

嗅覚障害

鼻がつまっているわけでもないのに、鼻が利かなくなる疾患を嗅覚障害と言います。

症状
においが感じられなくなります。
検査
原因を調べるために問診、内視鏡検査、また嗅覚障害の程度を調べる嗅覚検査などが行われます。
治療
原因によって、それぞれ治療法も異なってきます。
嗅覚障害は原因によって、呼吸性、嗅粘膜性、混合性、中枢性の4つに分類できます。
呼吸性は、においの分子が嗅粘膜というセンサーまで届かない状態で、鼻づまりやアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎などが解消されれば、すぐに嗅覚は戻ります。嗅粘膜性は風邪ウイルスなどによって嗅粘膜、つまりにおいのセンサー自体に障害が生じている状態です。薬物で治療しますが、回復しないケースも見られます。混合性は呼吸性と嗅粘膜性が同時に起こった場合です。中枢性は頭部外傷などによる神経損傷が原因で、現在のところ有効な治療法は見つかっていません。
また嗅覚障害の原因として多いのが慢性副鼻腔炎(蓄膿症)で、40%くらいを占めると言われます。慢性副鼻腔炎では呼吸性の障害が多いため、鼻の手術で換気が良くなれば、においの感覚も改善します。
炎症やウイルスによって嗅粘膜に障害が生じたと考えられる場合、その治療としては、神経を活性化させるために、ステロイド剤の点鼻や、神経を活性化させるビタミンB剤の内服が主になります。

こんな症状の方は耳鼻咽喉科医にご相談ください

  • くしゃみ
  • 鼻みず、鼻づまり
  • 鼻がかゆい
  • においがわからない
  • 鼻や頬が痛む
  • 鼻血
  • いびき
  • 患者の気持ち